結論:インプレッサを買ったら、詐欺師になっていた。
車を買った。念願のインプレッサスポーツだ。ずっと欲しかったやつで、やっと手が届いたタイミングで決断した。テンションが上がっていたのはいいが、その直後にちょっとした事件が起きた。大家さんに詐欺師扱いされた話を書いておく。
笑い話のつもりで書くが、自分にとってはかなり反省があった。デュアルSIM・AI・マイナンバーカード——新しいものをホイホイ使ってる自分が、知らないうちに「怪しい人間」になっていたという話だ。
車庫証明で詰まった
新車を買うとき、ディーラーから「車庫証明が必要です」と言われた。車庫証明とは、その車を停める駐車場が確保されていることを証明する書類で、警察署に申請が必要になる。賃貸の駐車場を使っている場合は、大家さんから「保管場所使用承諾証明書」という書類に署名・捺印してもらう必要がある。さらに、駐車場の配置図(どこに停めるか図で示した書類)も添付しなければならない。
「じゃあ大家さんのところに行けばいいか」——そう思った。普段からそこそこ付き合いのある大家さんで、感じのいいおばあちゃんだ。話せばわかってもらえると思っていた。
日曜の夜7時、大家さんに電話した
日曜の夕方7時ごろ、大家さんに電話をかけた。「今から車庫証明の書類をもらいにいっていいですか」と伝えるつもりだった。
ここで最初のミスが発生する。自分はSIMが2枚入る端末を使っていて、電話番号が2つある。普段大家さんと連絡するのはメイン回線だが、そのとき誤ってサブ回線でかけてしまった。大家さんには登録されていない番号だ。当然、出なかった。
「あ、番号違いか」と気づいて、今度はメイン回線でかけ直した。大家さんはすぐ出て、「いいですよ、来てください」と快くOKしてくれた。
——ここまでで、すでに「不審な動き」をしていた。知らない番号からかかってきたかと思ったら、すぐに別の番号からまたかかってきた。第三者から見たら、これはちょっと変だ。
「ちょっと遅れます」のひとことが致命傷だった
電話を切ったあと、配置図を印刷しようとしてプリンターの前に立ったが、お風呂に入ったりしていて手間取ってしまった。「遅れそうだな」と思い、大家さんにショートメッセージを送った。
「書類の作成に手間取っています。少し遅れます」
これが致命傷だった。
車庫証明の書類は、通常そこまで「手間取る」ものではない。印鑑と住所がわかれば書けるくらいの書類だ。なのに「書類の作成に手間取っています」というメッセージが届いた。——詐欺の手口でよくある「複雑な手続きが必要」という雰囲気を出してしまっていた。
直後、コピー機の前で待っていた大家さんから電話が来た。「やっぱり今日は来ないでください。来るなら明日の昼にしてほしい」。会社員の自分には昼は無理だと伝えたら、「車屋さんにやってもらえばいいじゃないですか。迷惑です」とブチッと切られた。
正直、かなりショックだった。普段は穏やかな大家さんで、こんな態度を取られたことがなかったから。
結局、詐欺師と疑われていた
その後、調べてみると「賃貸借契約書と駐車場の配置図だけで申請できる場合がある」というのがわかった。ディーラーに相談したら「うちでやりますよ」と言ってもらえ、書類も無事に揃えてもらえることになった。
一段落したと思い、大家さんにショートメッセージでフォローを入れた。「先ほどはご迷惑をおかけしました。車屋さんで対応してもらえることになりました。今後ともよろしくお願いします」。
送った瞬間に、メイン回線に大家さんから電話がかかってきた。
そこで判明したのは、大家さんが完全に詐欺だと思っていたということだ。
- 知らない電話番号からかかってきたと思ったら、すぐ別の番号からかかってきた(2つの番号で挟み撃ち——これは詐欺の常套手段らしい)
- 「書類の作成に手間取っています」というメッセージ(本物の手続きでそんなことは起きない)
- 日曜の夜に突然来訪しようとしてきた
大家さんはすでに警察に相談し、息子さんにも「詐欺かもしれない」と留守電を入れていた。
全部自分のせいだった。
おばあちゃんに複雑なことをするな、という話
自分はデュアルSIM・LINE通話・AI・マイナンバーカード——新しいものを積極的に使うタイプだ。でもそれって、相手が同じリテラシーを持っていることを前提にした行動だ。大家さんは70代のおばあちゃんで、知らない番号からの電話、複数の番号、SMSでの書類報告——これが全部「怪しい」に見えて当然だ。
自分では「便利にやっている」だけのつもりが、相手には不審な動きにしか見えない。これはデジタルリテラシーの格差の問題で、自分が悪意を持っていなくても、相手を傷つけたり不安にさせることがある。
今回、大家さんは最終的に「ショートメッセージで本名と丁寧な言葉が来たから詐欺じゃないとわかった」と言っていた。ギリギリセーフだった。
たらればポイント
- 電話番号は1本に絞れ。デュアルSIMは便利だが、普段付き合いのある相手には必ずメイン回線で連絡する。知らない番号からの着信は、特に高齢者には恐怖でしかない
- 「書類の作成に手間取っています」は送るな。相手が手続きに詳しくなければ「なんで手間取るの?」と不審に思う。「少し遅れます」だけで十分だった
- 日曜の夜に突然動くな。平日の昼間、ディーラーに最初から相談すれば全部やってもらえた。急いで自分でやろうとしたのが全ての原因
- 車庫証明はディーラーに丸投げで大丈夫。申請代行をやってくれるディーラーがほとんど。自分でやる必要はない。わからなければ最初にそこに聞け
- デジタルに慣れていない相手に複雑なことをするな。自分では普通のことでも、相手には「謎の手続き」に見える。シンプルに、わかりやすく
まとめ
インプレッサスポーツは無事に納車される予定だ。大家さんとも和解できた。ただ、大家さんが警察に相談するほど怖い思いをさせてしまったのは本当に申し訳なかった。
新しいものを使うのは悪いことじゃない。でも「相手が同じ世界観にいるか」を確認してから使わないと、善意が迷惑になる。自分はそれを車庫証明で学んだ。
インプレッサを買った話より、詐欺師扱いされた話のほうが記憶に残る買い物になった。